20XX年、日本破綻

 JAL破綻。次は日本破綻でマスコミが日本破綻のことを取り上げないと書いていたが、3月7日の朝日新聞朝刊が日本の財政破綻をあからさまに取り上げていた。3面の表題は、『日本破綻防ぐには−』「借金頼み、大丈夫?−先進国で最悪。あと10年もつかどうか」。

 だいぶ前に宮沢さんは「日本は既に破綻している」と発言した。その時、自民党の連中は必死になって宮沢さんの発言を止めて、日本の財政状態を隠そうとした。その当時から比べるとこうしてマスコミが日本の財政破綻の可能性を真正面から取り上げるようになったのは隔世の感がある。

 2010年度予算案は歳出92兆円に対し、税収は37兆円しかない。新規国債発行額は44兆円で収入よりも借金の方が多いのである。2010年末で国や地方自治体など、広い意味での「政府」全体の公的債務残高は949兆円になる見込みだという。今のまま行ったら日本は表題の10年もたないだろう。特に中国の不動産バブルはもう直ぐ崩壊して世界的な不況になるだろうから日本破綻までの時間はもっと短縮するだろう。誰も日本が破綻するとは思っていないだろうが、同様に誰も破綻すると思っていなかったJALがあっという間に破綻したことを思い出すべきである。

 この事態に直面して日本の政府も国民も真剣にこの事態に対処しようとしているとは思えない。誰もこの潜在的な危機を実感できないのであろう。
 問題先送り政治家も国民も今の問題をしのぐために借金を自分の子供や孫に押し付けていることを意識していない。こんな無責任な政治家や親がいるであろうか。そういう意味では日本の老人や親は、世界最大の無責任集団なのである。

 同様なことは、世界の状況についても言える。石油は後30年程度で枯渇する。新しい油田の発見や採掘技術の進歩で若干は延びるかもしれないが、それでも100年はもたないであろう。しかるに世界の現状はどうか。未だに石油依存体質を益々強めているではないか。地球温暖化でCO2を削減しなければならないと言いながら逆に世界全体でみれば、車は増え続けている。車を持つことは社会の進歩、人類の進歩と言う認識があるから中国やインドはこれから莫大な量の車を生産して、益々石油を消費するだろう。
 世界標準である欧米の合理精神に基づいた各国の政府運営、世界運営に任せる限り、人類は限りない欲望追及を継続して自滅の道に突き進むのだろうと思う欧米の欲望追求を根本原理とした社会を認める限り、多分、人類が自滅の道を歩むのは科学の問題のようにシミュレーションできるのではないかと思う。

 日本の破綻も近いと思う。サンデープロジェクトをぼーっと聞いていたら、国民資産1400兆円というが、負債を引いたら1000兆円位しかないという。日本の国債は、国民の貯金で買っているのと同じであるから一見問題ないような構図になっているが、もう直ぐ国民の貯金で買えなくなれば、その時が破綻の時か?

 長男の国民年金は現在私が払ってやっている。しかし、日本が破綻することはほぼ確実なのに、年金なんか払って何になるんだろうと思う。払うのは止めて、金の現物をコツコツ溜め込んだほうが良いのではないかと思ったりする。要するに日本が破綻したとき、その時はハイパーインフレになるので、現金や貯金は紙くずになるからである。

 アメリカのバブル崩壊でコツコツ投資した株が大暴落した人も多いと思うが、日本が破綻したら国民が溜め込んだ貯金は全て紙くず同然になるのである。若者が将来に希望を持てないように、老人も長年溜め込んだ貯金が全て紙くずになるので夢も希望もなくなるであろう。
 北朝鮮の裏社会ではドルが流通しているようであるが、日本でもそういう状況になるかもしれない。多分、理性的な資産家は、既に現金を外貨に代えてリスク分散し始めているのだろう。いつでも馬鹿をみるのは一般国民だけか。

 1990年のバブル崩壊時には、1〜2年前に崩壊の予兆に気が付いて株から手を引いた。ただ、崩壊の影響がだらだらと続いたので結局、再開した株で大損した。
 今回のリーマンショックによる株の大暴落も、サブプライムローンの実態を冷静にみれば、こういう事態になるのは当然であると早くから予見できたはずであるし、実際に警告は発せられていた。
 中国の不動産バブル崩壊が近いのは、確実である。それと同様に日本の破綻も人類社会の崩壊も近いのは確実である。
 冷静に考えれば、当然の事も欲望に目のくらんだ人間には見えないのである。
 正に仏教が、「煩悩にまみれた人間には、世界の真実は見えない」というのと同じなのである。

 どうやって日本破綻に備えるか、今から準備しておかなければ。

(2010年3月28日 記)

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